ハーレーの中でも60年の歴史を誇るスポーツスターファミリー、 「ハーレーダビットソン XL Iron 883N (アイアン 883N)」。その2021年モデルのスリムでパワフルなフォルムには、アメリカンモーターサイクルのルーツが凝縮されています。
ひときわ目立つ極太のサスペンション、ロールドレザーシート、ホイールやパイプ、ステイなどを見ても、アグレッシブなカスタムディテールが特徴です。軽快なフレームに搭載されたエボリューションエンジンは、ハーレー伝統のショベルヘッドエンジンとIronheadエンジンから生まれました。コンパクトな一体型クランクケース/トランスミッションを搭載した空冷式Vツインのデザインは、スリムなフレームにフィットしています。
パワフルでありながら、エボリューションVツインエンジンをラバーでフレームに装着しているあたり、とことん乗り手に配慮するハーレーらしい配慮が感じられます。また、レンチをシートに内蔵し、リアサスペンションを好みに合わせて調整できる点も見逃せません。アイアン 883は、まさにストリートモーターサイクルの最高峰と言っても過言ではないでしょう。
今回は、このハーレー XL883N (アイアン 883N)のスペックを中心に、進化の歴史を辿ってみます。
アイアン 883Nのスペックをセクションごとに分けまとめました。ポイントとなるスペックに焦点をあててチェックしたい方は、以下のセクション名をタップ(クリック)すると各セクションまでジャンプできますのでご利用ください。
| タイプ/グレード | XL883N/Iron883 |
| 発売年月 | 2019年8月 |
| 長さ | 2,185 mm |
| 最低地上高 | 140 mm |
| シート高 | 760 mm |
| キャスター角 | 30° |
| トレイル | 117 mm |
| ホイルベース | 1515 mm |
| タイヤ(フロント仕様) | 100/90B19 |
| タイヤ(リヤ仕様) | 150/80B16 |
| タイヤタイプ(フロント・リヤ) | チューブレス |
| 燃料容量 | 12.5 l |
| オイル容量/フィルタ交換時 | 2.8 l/2.6 l |
| バッテリー-型式 | 65958-04B |
| 車両重量/出荷時 | 256 kg/247 kg |
| 乗車定員 | 1名 |
| 型式 | 空冷式Evolution |
| 排気量 | 883cc |
| 圧縮比 | 09 : 01 |
| エンジン最大トルク | 51 HP/x38 Kw |
| 最大トルク(RPM) | 6000 |
| エンジン種類 | 4ストローク2気筒 |
| ボア | 76.2 mm |
| ストローク | 96.8 mm |
| シリンダ配列/バンク角 | V型(L型)/45° |
| 冷却方式 | 空冷 |
| カム・バルブ駆動方式 | OHV |
| フューエルシステム | フューエルインジェクション(ESPFI) |
| エキゾースト | Black exhaust headers and black mufflers |
| エンジン始動方式 | セルフスターター式 |
| 点火プラグ型式/本数 | 6R12/2 |
| エンジントルクテスト方法 | EC 134/2014 |
| FUEL ECONOMY TESTING METHOD | EU 134/2014PS |
| FUEL ECONOMY | 4.6 l/100 km |
| CO2 EMISSIONS TESTING METHOD | EU134/2014 |
| CO2 EMISSIONS | 111 g/km CO2 |
| 動力伝達方式 | チェーン(35/57 ratio) |
| クラッチ形式 | 湿式・多板 |
| 変速機形式 | リターン式・5速変速 |
| 変速機操作方式 | フットシフト |
| ギア比(全体) 1ST | 9.315 |
| ギア比(全体) 2ND | 6.653 |
| ギア比(全体) 3RD | 4.948 |
| ギア比(全体) 4TH | 4.102 |
| ギア比(全体) 5TH | 3.517 |
| フロントフォーク形状 | 正立フォーク |
| フロントフォーク | 2016モデル以降:49 mm 2015モデルまで:39 mm |
| フロント懸架方式 | テレスコピックフォーク式 |
| リヤ懸架方式 | スイングアーム方式 |
| リヤ ショックアブソーバ本数 | 2本 |
| 懸架方式(フロント) | テレスコピックフォーク |
| 懸架方式(リヤ) | スイングアーム方式 |
| フロントホイール | Black 9 Spoke with Machined Highlights |
| リヤホイール | Black 9 Spoke with Machined Highlights |
| ブレーキ形式(フロント | Dual-piston |
| ブレーキ形式(リヤ) | Dual-piston |
| タイヤ(フロント) | 100/90B19 57H |
| タイヤ(フロント)タイプ | チューブレス |
| タイヤ(リヤ) | 150/80B16 77H |
| タイヤ(リヤ)タイプ | チューブレス |
| リーンアングル右 | 27° |
| リーンアングル左 | 28° |
| メーター表示:時計 | 有り |
| スピードメーター | アナログ |
| ゲージ | トリップメーター、Fuel、油圧、エンジン診断 |
| LEDインジケーターライト | ハイビームライト、標準ライト、ウインカー、バッテリー、セキュリティ(オプション装備)、 ABS(オプション装備) |
| アンチロックブレーキ | 有り(2016モデル以降) |
| コンピューター | キャンバス対応(2014モデル以降) |
| ラゲッジラック | 有り |
| サドルバック | 有り |
| モデル名 | カラー | メーカー希望小売価格 |
|---|---|---|
| ハーレーダビットソン Iron 883N (アイアン 883N) | ||
| バラクーダシルバーデニム | ¥ 1,388,200(消費税込) | |
| ブラックデニム | ||
| リバーロックグレー | ||
| スコーチドオレンジ/ シルバーフラックス | ||
ハーレーダビットソンのスポーツスターの歴史を辿ると1957年までさかのぼることになります。初代XLスポーツスターは、ハーレーのOHV第3世代にあたるショベルヘッドエンジンが搭載されました。ショベルヘッドビッグツインがハーレーの代名詞のように捉えられることがありますが、ビッグツインは1966年に誕生したのです。つまり、スポーツスターの方が9年も先行していたことが分かります。
出典:https://www.mecum.com/lots/LV0119-363659/1957-harley-davidson-sportster/
以降、ショベルヘッドはエボリューションエンジン(1984年)が登場するまで、ハーレーのスポーツスター、ビッグツインの主要エンジンとして活躍しました。ただ、ビッグツインではショベルヘッドはアルミ製でしたが、スポーツスターでは鋳鉄素材のヘッドを採用されたため。「アイアン」という車体名称がつけられたと言われています。
「1957 XL SPORTSTER」のショベルヘッドの排気量は883cc,で、現在の最新のアイアン 883に搭載されているエボリューションエンジンの排気量とまったく同じです。
出典:https://www.virginharley.com/engineguide/shovelhead/
上の画像は、初代XL スポーツスターに搭載されたショベルヘッドです。ショベルヘッドは1986年を最後に引退するまで。長年スポーツスターの各モデルを支えました。
出典:https://bike-lineage.org/etc/sportster/block_head_sportster.html
第3世代スポーツスターから搭載されたエボリューションエンジンが下の画像です。
出典:https://www.virginharley.com/engineguide/evolution/
エンジンの主要部品がブロックのように積まれていることから通称「ブロックヘッドエンジン」とも呼ばれました。エボリューションエンジンは、ホンダがハーレーに技術提供したという噂もあります。
1960年代から始まった、日本の二輪メーカーの小排気量バイクの猛攻でハーレーは一時経営危機に晒されました。そこで、1969年に米国大手機械メーカーであるAMFから保護買収されるまでになり、AMF Harley-Davidsonとして経営再建に10年間取り組みました。
ただし、経営再建中の10年間はリストラにより優秀な人材を失ってしまい、この間に販売した製品は故障だらけとなったと言われています。この時代を「ハーレー暗黒の10年」とファンからは呼ばれているほどです。1973年当時は、850cc超クラスのバイクではシェア80%以上を誇っていたハーレーですが、1983年には23%にまで落ち込んだことをみるとその深刻さがうかがえます。
1981年からハーレー創業者の孫を筆頭に投資家グループが立ち上がり、AMFから株式を買い戻してハーレー再建に乗り出しました。この再建計画によりハーレーは技術提供をホンダに頼ったとも噂されているのです。その結果、エボリューションエンジンを開発するまでに回復、現在の押しも押されもしない地位を確立しました。
また、レーガン政権による1983年の施行の通称「ハーレー保護法」がハーレーの再建を後押ししたとも言われています。この法律は、700cc以上のバイクの輸入関税を4.4%から49.4%に引き上げるというものだったため、実際ハーレーには大きなプラスとなったことは間違いないでしょう。
出典:https://www.virginharley.com/interview/ownerinterview18/
これらの要素が重なり、650cc超バイクのハーレーのシェアは1999年には49.5%まで回復しています。また1989年、ハーレージャパンが設立され、日本でも「パパサン」の愛称で人気を集め、空前の売上を記録したのです。
出典:https://aljyan-beyond.com/blog/p1494/
ハーレーダビッドソンのスポーツスターは、1986年モデルからフレームについてもリジットフレームとなり軽量化されました。加えて強度、しなやかさ、直進安定性、取り回しのしやすさまで大幅に進化したと言えます。このフレームは、通称「リジスポ」と呼ばれています。
2023年現在のエボリューションエンジンは、ハーレーOHVの第4世代にあたりますが、排ガス規制に対応しながらも軽量化、最大出力、最大馬力共向上することに成功しました。もちろん、それでもハーレーサウンドが健在なのはファンにとっては嬉しいことでしょう。
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| 査定個所 | 査定内容 | |
|---|---|---|
| エンジン周り | 排気量、エンジン番号打刻部 | 正規品かどうか |
| スターターキック | 曲がりやキズがないか | |
| 始動性 | エンジンのかかり | |
| エンジン音 | 異音がないか | |
| 吹き上がり | 悪くないか | |
| クランクケースカバー | 腐食、カケ、キズ、凹みの有無 | |
| エンジンカバー | 類 腐食、カケ、キズ、凹みの有無 | |
| オイル漏れ(腰上) | オイル漏れの有無 | |
| オイル漏れ(腰下) | オイル漏れの有無 | |
| オイル漏れ(ガスケット) | オイル漏れの有無 | |
| ラジエター(ガタツキ) | 取り付け状態の良し悪し | |
| ラジエター(フィン) | 曲がり、凹み、キズの有無 | |
| ラジエター(液漏れ) | 液漏れの有無 | |
| クラッチ(切ったとき) | クランク音の良し悪し | |
| クラッチ(ハンクラ状態) | 異音がないか | |
| クラッチ(つないだとき) | 滑り、ガタつき、異音の有無 | |
| セルモーター | エンジンのかかりの良し悪し クランキング異音の有無 異音の有無 | |
| 外装周り | アッパーカウル | キズ、割れ、凹み、曲がりの有無 |
| サイドカウル | キズ、割れ、凹み、曲がりの有無 | |
| アンダーカウル | キズ、割れ、凹み、曲がりの有無 | |
| シートカウル | キズ、割れ、凹み、曲がりの有無 | |
| タンク(外観) | キズ、割れ、凹み、錆の有無 | |
| タンク(塗装) | 純正か社外か | |
| タンク(中) | 中に錆がないか | |
| オイルタンク | ガタつきがないか 割れがないか | |
| 首周り(フロント) | フロントフェンダー | タイヤとのスペースが均一か |
| フロントフェンダー(取付部) | 曲がり、ガタつき、錆がないか | |
| フロントフェンダー(本体) | キズ、割れ、凹み、曲がりの有無 | |
| リヤ周り | リヤフェンダー | タイヤとのスペースが均一か |
| リヤフェンダー(取付部) | 曲がり、ガタつき、錆がないか | |
| リヤフェンダー(本体) | キズ、割れ、凹み、錆、曲がりの有無 | |
| 電気系 | プラグ | 使用期間の確認 |
| ウインカー(前後) | 点灯するか | |
| フロントライト | 点灯するか | |
| テールライト | 点灯するか | |
| ブレーキライト | 点灯するか | |
| インジケーター | 正常に動作するか | |
| バッテリー | 使用期間の確認 | |
| オルタネーター | バッテリーとの関連でチェック | |
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ハーレー・ダビッドソン XL Iron 883N (アイアン 883N)について、スペックを中心にスポーツスターシリーズの進化の歴史を解説しました。
ハーレーのスポーツスターの歴史は意外に長いことがお分かりいただけたかと思います。そのなかでも、アイアン 883Nは、ハーレーダビッドソンを代表するモデルです。バイクの状態によっては購入された価格よりも高値で買い取らせて頂ける可能性もありますので、バイクDoの無料買取査定をお気軽にご利用ください。
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